2 規範意識を向上させるべく、「道徳」の教科化とともに、生徒指導に「ゼロ・トレランス」を導入して頂きたい。いじめ問題では、いじめた側には出席停止を含む厳しい姿勢で臨んで頂きたい。改正教育基本法の理念に従い、郷土や国を愛する態度を涵養させるべく歴史教育や伝統文化教育を充実させて頂きたい。ジェンダーフリー教育を禁止するとともに、性教育については自己抑制教育を導入して頂きたい。宗教を学校から排除せず、宗教的情操心を涵養すべきである。
3 教員の質を向上させるべく、教員免許更新制を導入するのはもちろんのこと、教員に職階を設けるともに、更新制と連動させるべきである。教員の法令遵守を徹底させ、政治活動を禁止すべきである。教員は労働者ではなく、せめて全体の奉仕者である公務員としての自覚を持つよう研修すべきである。併せて大学の教職課程の内容を点検すべきである。教員を教育専門職とすべく、学識・人格を重視した新たな教員養成のための6年制大学を創設すべきである。
4 学校の教育力を向上させるべく、可能な限り学校選択制を導入すべきである。高校の学区制は撤廃する。学校の情報公開を徹底させ、各教員の指導案も公開する。学力不振校については指導主事を導入するなどしてケアし、全体のレベルアップを図るべきである。教育バウチャー制度の導入は大掛かりであり、学校選択制の導入と奨学金制度の充実で目的が達せられるのでその必要はない。生徒による教員評価は教師の権威を損なう恐れがあるので慎重に対応されたい。
5 教育行政の無責任体制を是正すべく、教育委員会の設置義務を解くとともに、教育長・教育委員をなるべく教員OB以外から選任し、レーマン・コントルールの原点に戻るべきである。教育の地方分権を見直すが、ただちに文部科学省の権限復活とはしない。
6 イギリスの教育水準局に当たる「教育検査院」(仮称)を国の機関として創設し、教育委員会・学校・大学の教員養成課程に対して、学習指導要領その他の法令を遵守しているかの監察を行うべきである。
7 教育再生は教育界だけではできない。家庭・地域の協力はもちろん企業の協力が不可欠である。教育再生を「世直し」と位置付ける必要がある。「早寝・早起き・朝ごはん・挨拶励行」など、家庭に「規範」を取り戻す国民運動を行うとともに、親になるために教育(「親学」)を実施する。「他人の子を叱る」運動など地域が一体となって教育再生に取り組む。高齢者が学校などで積極的に子供と関わる事業を展開する。企業は親の育児時間を確保すべく、「働き方」を検討すべきである。「教育環境」を改善すべく、「企業の社会的責任」として教育再生を位置付けるべきである。とりわけ有害情報や俗悪番組を放置してはならず、業界団体等に協力を要請すべきである。
※ 上記「4」への補足
教育バウチャー制度導入の可否を議論すること自体は重要であり、市場競争原理の導入も必要と考える。しかし、安倍総理が『美しい国へ』で唱えているバウチャー制度は「限定的な」バウチャー制度のことであり、所得の多寡に関わらず私学進学への可能性を開く議論である。だが、現在、教育再生会議の一部の委員が提唱しているのはそれとは異なる「全般的な」バウチャー制度であり、両者は区別して考えなくてはならない。
「全般的な」バウチャー制の導入は大掛かりなものとなり、その弊害も大きい。また、導入している国も少ない。専門家の間では、学校選択制は「事実上のバウチャー制度」とする見方が有力であり、現行の学校選択制を拡大して奨学金制度を充実させれば、バウチャー制度を導入しなくても、目的、すなわち競争原理の導入によって学校の教育力を向上させること及び所得の多寡に関わらず私学進学への可能性を開くこと――は達せられる。それゆえ敢えてバウチャー制度を導入する必要はないと考える。